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BFL経営財務研究所は、JSK事業再生研究会やアジア進出研究会の活動を通して税理士、弁護士はじめ経営コンサルタントの先進的なアドバイザリー業務を支援しています。
by bfl-info
海外進出の意義-香港で活躍する友人からの手紙
香港で活躍する友人 堀明則氏(ホープウェルグループ代表)から頂いたメールに強く同感しましたので、これを紹介します。
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理由「後継者不在」につき

日本で「友好的M&A支援事業」を展開されている企業の方と
打合せさせていただいた時のことです。
成立させられたM&Aマッチングの実績についての
情報をおうかがいすることができました。

その中で驚いたことは、
M&Aの売却希望側の売却希望理由において、
「後継者不在」が本当に多いことです。

社員数数名~数十名、売り上げていうと数億円~数十億円前半。
これくらいの企業の多くが、後継者不在で本当にたくさん
売りに出されていると言うことです。

では、後継者がいれば事業継続をされるのか?

という議論をするとまた違う側面も見えてくるのでしょうが、
とにかく生み出し育ててこられた事業を手じまいにされるという決断が、
日本に本当に多く蔓延していることを感じた次第です。

一方でその方とお話をさせていただいて気がついたことがあります。

それは、M&Aにおいて購入希望側の企業の多くが、
海外進出を考えられていると言うことです。

M&A支援のあとには、海外進出における相談が後を絶たないようです。

私は、海外進出を検討されている企業(弊社にとってのお客様)には、
「競争の時代から、協業の時代に入ったことを認識すること。
そして、いかに戦うかから、いかに共存するか、へのマインドセットを行うこと。」
この重要性をメッセージとして発信させていただいています。

海外で、すべてを自前でもち、自前で管理運営をしてゆくことはなかなか大変ですね。

少し前には、中国での労働争議の問題がクローズアップされていました。
このような事態への対応は、やはり地場の経営者が非常に上手です。

今の時代、おおかたのアジア各地において、
日本企業で進出をお考えの企業の同業他社は存在するでしょう。
そして、それらの多くが、日本企業が考える
倍の投資を倍のスピードでやってのけ、
器(うつわ)を作って仕事を集めてくる
中国型(アジア型)の経営を行ってきます。

これをまねることは並大抵ではないですね。

そう考えると、彼らのもつこのスピードとサイズを活用し、
そこに人と技術と仕事を流し込み、
それをテコに、既存事業を拡大すると共に、
新市場を開拓してゆくと言う考え方もできるわけです。

こう申し上げると
「いや~、それはそうだが、だまされるのではないか?」
という声が多く帰ってきそうですが、
ほんとうに日本企業はだまされているのでしょうか?

私は実はそうばかりではないだろうと思っています。
日本企業との協業に挑戦し、
道半ばで断念した中国企業の経営者を、
私は多く知っています。

彼らの言葉を借りると、
「日本企業は一緒にやろうと言って、何がやりたいのかわからん。
結局本気で踏み込んで、一緒にやってゆくことができなかった。」
なる考察が多いようです。

つまり、だまされたのではなく、
互いに理解ができていなかった、
と言えるのかもしれません。

海外に出て仕事をするときには、
「日本の常識・世界の非常識」
「世界の常識・日本の非常識」
が多く存在することを念頭に、
適宜進出先で「ローカライズ」させてゆくことが大切ですね。

そして、自力進出だけでなく、協業進出を検討のオプションに加えると、
一気に道が開けてゆくようにも思えるわけです。

話を戻します。

この方がおっしゃるには、企業経営者の多くは
海外戦略のフロントには2代目、あるいは跡継ぎを、
その司令塔にすえられるようです。

この跡継ぎを、「一時、外の釜の飯を食わせる」程度で送り出すのではなく、
市場に居座らせる覚悟で送り出せるかどうか、
実は海外進出の成否は、この心がけに大きくかかっているようにも思えます。


「その場で判断・決断できる人が現地に居座り、現地と協業することで、
既存事業の継続と、新市場の獲得を実現できる」
海外進出の基本ルールはここではないかと考えます。


円はまだ劇的安めに入ることはないかもしれません。
ただし通貨高は止める方策(自国通貨売りなど)はたくさんありますが、
通貨安を止める方策はない、という事を念頭に入れておく事が肝心ですね。
そう考えると海外進出を効率的に効果的に実現するための環境が
いつも約束されているわけではなく、千載一遇の時があるということが見えてきますね。

学生の就職活動で就職がうまくいかず悲壮感あふれる様子をテレビでも目にします。
しかし、一方で上述の通り人材不足で行き詰まりの実態があります。


効果的海外進、そして若者の就業観において、
新しい価値が認知されると、
まだまだ日本経済は活性化させてゆけそうですね。
そんな気持ちなります。
皆さんはいかが感じられますか?
---
ホープウィル・グループ・ホールディングス・リミティッド 企画室
Suite 2305, Wing On Centre, 110-114 Connaught Road, Central, Hong Kong
Tel: 852-3583-0486 Fax: 852-2517-7686
HP: http://www.hopewill.com
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by bfl-info | 2012-03-29 09:09 | アジア進出研究会
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